登録販売者、採用の現場から
- ホーム
- 登録販売者、採用の現場から
- 秋の花粉症!? そもそも花粉症ってなに?
秋の花粉症!? そもそも花粉症ってなに?
花粉とは
まず、花粉とは何でしょうか? 花粉は植物の細胞で、植物が子孫を残す為に雄蕊(おしべ)から出しています。
この細胞が雌蕊(めしべ)に付けば問題ないのですが、多くの花粉は風に流され空気中を舞っています。春にはたくさんの花が咲くイメージがあるかと思いますが、花が咲くということは花粉が出るということです。
花粉症の正体? 何故アレルギーが起きるのか。
花粉が空気中を舞って、私たちの鼻粘膜に付着するとどうなるのでしょうか。
まず、身体は花粉を侵入者として認識するかどうかがキーとなります。侵入者として認識した場合は、リンパ球がIgEという抗体を作ります。
抗体が作られた後に再度花粉が侵入すると、粘膜にいる肥満細胞のIgE抗体に花粉が捕らえられます。すると肥満細胞からアレルギーの原因となるヒスタミンやロイコトリエンという物質が放出されます。
そして、これらの物質が血管等に作用して鼻水やくしゃみ、鼻づまりの症状を発現させます。
少し難しい話になりましたが、アレルギー薬の成分である抗ヒスタミン薬と花粉の関係が少し理解できたかと思います。
花粉症の原因になりやすい植物って?
ここからは、花粉症の原因になりやすい植物とその季節を確認しましょう。
季節と該当する植物を覚えておけば、その季節にアレルギー薬を購入しに来たお客様との会話の導入に非常に使えます。(例: こんにちわ。この季節だとブタクサですか? 花粉症はお辛いですよね。いつもこの商品をご購入されているんですか? など)
スギ(2〜4月)
ヒノキ(3〜5月)
ブタクサ(8〜10月)
この三種類が代表的なものです。そして、さらに
シラカンバ(4〜6月)
イネ科(4~11月)
ヨモギ(8〜10月)
などでも花粉症を発症することがあります。
カッコ内の飛散季節が示す通り、花粉が年間を通して飛散していることがわかると思います。もし、商品の陳列、ポップ作りなどを担当している場合は、季節によってポップを変えても良いかもしれません。
マスクの効果?
マスクを販売していて、「効果あるのかな?」と感じることもあるかと思います。マスクは、正しい使い方をすればその効果は期待できると思います。
もちろん、念のため花粉を防ぐと謳っている商品を購入していただくほうが安心ですが、正しい使い方もポップ等で示してあげると良いでしょう。
正しい使い方ですが、まず前述したように、花粉が鼻粘膜に付着することが花粉症の症状の始まりです。そのため、マスク装着時は必ず鼻もカバーできるように装着しましょう。
カバーできる程度の大きさと、大きすぎないことも重要です。時々、誤って大人の男性用のマスクをレジにお持ちになるご年配の奥様がいらっしゃることもあります。
その時は一度「大人の男性用ですがよろしいですか」と伺ってあげるのが親切だと思います。
予防としてアレルギー薬を飲んでよい?
たしかに、医療機関から処方されるアレルギー薬は先生の指示で「症状が出る前から服用する」ことがあると思います。
ただし、市販で販売されている薬の効能はあくまでも「花粉症の症状を改善する」ことが目的であり「予防薬として使用して良い」とは記載されていないと思います。
そのため、登録販売者の立場で市販薬のアレルギー薬を予防に使ってよいとは言うことができません。
予防として使用したいのであれば、しっかりと医療機関で診断を受け、予防が必要かどうかという医師の判断が必要です。安易に「予防にも効果的」と謳って、販売しないようにしましょう。
関連記事
-
登録販売者ドタバタ劇場
胃薬を使うときに、気をつけるべき飲食物
薬は基本的に水で飲む どんな薬を服用するときでも、薬は基本的にお水で飲むものです。これは胃薬に限ったことではありません。 ですが、その場に水がなかったりすると、その辺にある飲み物で飲んでしまうことがあるかもしれません。も […]
-
登録販売者になりたい人へ
独学で試験対策ってどうすればよいの? 登録販売者試験に独学で挑む方にオススメの勉強法
勉強計画の立て方 まずは試験日から逆算して、勉強計画を立てていきましょう。 独学の場合は、指導してくれる方もいなければ、決められたスケジュールもありません。自分で「いつ、どのように、何を勉強するのか」を最初に決めておくこ […]
-
登録販売者、採用の現場から
知っておきたい薬剤知識 ~甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病)の治療薬~
バセドウ病・橋本病の薬物療法 バセドウ病の薬物療法の中心は、甲状腺ホルモンの合成を抑制する抗甲状腺薬です。ホルモン量のバランスに影響するため、規則的に服用する必要があります。症状の程度によって薬の量を調整しつつ、数年単位 […]
-
登録販売者になりたい人へ
【登録販売者試験対策】強心薬に関するまとめ
強心薬の働き 通常、全身に血液を送り出す心臓の動きは自律神経系によって無意識のうちに調整がなされています。そのため、激しい運動をしたりすると、動機や息切れというのは起こりうるものです。 心臓の働きが低下すると十分な血液が […]
-
登録販売者、採用の現場から
小児・成人・高齢者の薬物吸収・分布・代謝・排出の違いとは?
まずADMEとは? ADMEとは、体内に薬が投与されたあと、吸収されて血液中に入り、身体全体(一部)に分布し、肝臓で代謝され、尿中(糞便中)に排出される過程のことを言います。 吸収(absorption)、分布(dist […]
-
登録販売者、採用の現場から
乳幼児・高齢者は特別? 薬を服用する際に配慮が必要な理由を考えよう
乳幼児:乳児、幼児、小児の違い 医薬品の使用上の注意においては、「乳児」「幼児」「小児」という単語を意識的に使い分けされています。あくまでも目安ではありますが、年齢区分は以下のとおりです。 乳児:1歳未満 幼児:7歳未満 […]